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コスタリカ買付珍道中


今年4月末に訪れたコスタリカ。

シュハリとして4回目の取引となる信頼できるサプライヤーのSelva。

今年の訪問は例年より遅いタイミングの4月末ということもあり、訪問目的は収穫状況を見るというより、輸出前サンプルの確認と後半収穫分の買い付けカッピングがメイン。その他にも生産者それぞれのウェットミルやドライミル、保管環境の確認も行いました。そして取引のある生産者に集まっていただき、顔を合わせ、夕飯の場を共に過ごしながらコーヒー生産についてディスカッションするという貴重な時間も過ごしました。

今回はその時の生産者さんとの話を取り上げてみたいと思います。

今年のコスタリカは全体的に収量を大きく落としています。
それには気候状況や、前年の生産からの流れなど様々な要因が合わさっていますが、中米全体で見てもコスタリカは特に落ち幅が大きいように感じています。

コーヒー生産には表と裏の年がある、その要因の一つには"農業"のことや収穫時期の作業も大きく関係しています。前年の収穫終わりのタイミングはその次の年の収穫へのスタートにもなります。それをいつにするのか、どのような作業や手入れをするのかで次の年の木の状態や収量が大きく変わります。
前年にチェリーをたくさん付け、収穫終わりの時期が長くなるとこで、次の年の収穫に向けて木が体力を回復させることや、チェリーを成熟させていく期間が短くなってしまう、それが収量が減ってしまう大きな原因の一つです。

ですが、このような原因への対策はコスタリカの農家さんたちはあまり考えていないと感じました。また、今回集まってくれた生産者たちに”生産コスト”というワードを強調し、それぞれがコーヒーを生産するにあたり、どれだけのコストがかかり、それをどのように値付けしてるのかという話題をあげました。
しかし、生産コストを把握している生産者は1人もいないという回答でした。
COE常連の生産者や、農家の人たちがいるなかで、自分の生産コストを把握している人はいないのが現状です。

最高のデイリーコーヒーをさがし求める中で、農家さんがそれぞれ行っている農法や、プロセスにどれだけのコストがかかっているのか、コストを抑えながらクオリティを保つ、又はあげるためにはどういった農業をするべきなのか、設備投資するべきなのか、
生産コストを抑え、安定した収量とクオリティがあることで生産者の収入は安定する。それがなぜ大事なのか。
いくらクオリティが良く感じるコーヒーや、品種またはプロセスによりフレーバーのインテンシティーが強いコーヒーでも、収量が安定しない農法や、生産コストが高い方法を取ることで価格は上がり、消費が減ってしまうコーヒーになる。そのリスクとサステナブルにならない現実。

そういった内容を集まってもらった約20人の生産者と共に話し合いました。

肥料や農薬の高騰や供給の不安定性や労働者不足や人件費の高騰、これらは生産地で起きている数多くの問題のほんの一部にすぎませんが、なにもせずにはコーヒー生産が続かない大きな問題になると感じています。

農業を改め、土や周りの環境を整え、自然が本来持つパワーや機能を最大限取り戻すことが農薬や肥料を減らしていき、コーヒー生産のコスト削減や収量の安定性につながると感じています。
それは農薬や肥料を一度も使われたことのない、大規模な品種入れ替えも行われたことのない、コーヒーの生まれた場所エチオピアの森を見たらそう信じるしかない考え方だと思います。森の中で生まれ、光合成をそこまで必要としないコーヒーの木を、周りの森を伐採し、大量に肥料や農薬を使いコーヒーの生産性を高めることがいかに一時的なもので、サステナブルではないことなのか。

大量消費社会に求められる中でコーヒーの農業の仕方は大きく変えられました。それと同時期にコーヒーの木の病気が増えていったのも事実です。

その中で不安定な生産リスクの高い農業、コーヒーの不当な低価格化、コーヒー生産者の生活は厳しい状況が続き、その数は年々減ってしまっています。

ピッカーさんや、農園で働く人が集まらないということも、中南米ではどこに行っても耳にする問題です。そういった状況で、できる限りの機械化や作業効率向上のための設備投資は、生産量を少しでも保つために取り組まなければいけないことだと強く感じています。
特殊発酵や、過度なプロセスなどの”流行り”に設備投資することよりも、長い目で見て、サステナブルにクオリティの良いコーヒーが作り続けられるために必要な設備投資を共に考え、取り組んでいくことがとても必要だと生産者と話す中で感じました。

コーヒーが本来持つ品種や、土地の個性が最大限に感じられ毎日飲みたくなるような最高のデイリーコーヒーをさがし求めるシュハリにとって、そのコーヒーを生産する人々がその仕事を通じて豊かになり、幸せな生活を送るためにはなにをするべきなのか。
まだまだ学び続け、正しい知識共有とニーズの共有をしていくことが重要だと改めて感じた貴重な時間でした。

コスタリカは収量は減少したものの、クオリティは例年通りとても良いものを作ってもらえたと思っています。
継続して取引させていただいている農家さんや、今年から新たに取引させてもらえるようになった農家さん、信頼できるサプライヤーと共に、年々取引の質やそれぞれへのポジティブなインパクトを与えられるようにやっていけたらと思います。

8月後半から、9月頭の入港になるかと思います。
ぜひ、みなさんお楽しみください。

シュハリ シモン